許すまじ、ストーカー!!

友達の女の子と3ヶ月ぶりに飲みに行った。
楽しく飲もうと張り切ってたんだけど、そんな気は30分で失せた。

彼女は昨年の5月から12月まで、半年以上もストーカーの被害にあっていた。
彼女の住む最寄り駅近くで仕事から帰ってくるのを待ち伏せしているのが手口。
その後、行く手を阻んで、自分の欲求をぶつけてくるらしい。
彼女は毎日駅をから自宅まで走って、そのストーカーを巻いて帰宅していた。
引っ越す事も考えたらしいが、彼女は高校からの友人とルームシェアしているため、自分一人では決められなかった。

これだけで済んでいたのならまだ傷は浅かった。
自宅がバレてしまって、夜中の3時から12時まで毎週末チャイムを鳴らし続けられるらしい。
友人にも被害がおよび始めた。

一度12月にはそのストーカーは現れなくなたのだが、2、3日前からまた現れた。

今のところ暴力をふるわれたり、これ以上の事はされていないみたいだけど、彼女は唇を振るわせながら話してくれた。
彼女は誰かに話を聞いて欲しかったそうだ。
誰かに相談しようにも、そんな危ない男と友人を接触させては危ないと思い、今まで一人で溜め込んでいた。

細い肩をさらに小さくし、目は少し涙ぐんで彼女は話た。
これを見たときに、なんとも言えない怒りで気がついたら、力の限り拳を握りしめていた。

果たして俺にしてあげられる事があるのだろうか…。
できる限りの事をしてあげようと思い、まずは彼女の携帯を借りて俺の電話番号のメモリー番号を"111"に登録。
すぐにアラートを上げれるようにした。
俺の自宅から、彼女の自宅まではタクシーでワンメーターぐらい。
タクシーを捕まえれば、5分以内には駆けつけられる。

次に戸塚警察署にすぐに向かった。
警察生活安全課に彼女の名前、電話番号、住所を登録。
頼み込んで、俺の名前、電話番号も登録。
これで彼女が自分で警察に連絡すればすぐに警官が飛んで来てくれる。
彼女が俺に連絡してきたときには、俺が警察に連絡し、警官に飛んで来てくれる。

この他にしてあげれる事はあるか…、考えろ…、考えろよ、俺!!

後は彼氏の振りをして毎日様子を見に行くという事くらいだったが、彼女は俺に矛先が向く恐れがあると言って泣きながら拒んだのでできない。

情けないけど、これ以上自分でできる事が思いつかなかった…。
困っている友達がいるのに、こんな事しかできない自分に腹が立つ。
彼女にもしもの事あったら、俺は一生後悔するだろう。

誰にも言えずに、悩んだ末に打ち明けてくれた。
しかも、打ち明ける相手として、俺を選んでくれた。
そんな彼女の選択と期待に答えたい。

とりあえずは自分では断られたので、近所の交番の方に毎晩3時付近に見回っていただけるように、たのみこんできた。

何か良い撃退方法はないだろうか…。